日々のパン作りの要のひとつでもある「生種の管理」について、いまいちどご確認ください。
①生種はパンの味を左右する最も重要な要素であるため、雑菌や他の食材・臭いが混ざらないよう、専用の器具を用意して取扱いには細心の注意をはらいます。
②種起こしの際には、まず手洗いを徹底し、仕込み水を作る流しや作業台を清潔にします。
③種のポット・ホイッパー・お玉杓子などは専用のものを毎回必ず、アルコール消毒をしてから、水洗いをして使用します。
※酵母菌もアルコールで死滅してしまうため水洗いをしますが、アルコール塗布後、3分~5分程経過してから水洗いをしてください。
④発酵器・ホイロ・起こした生種の保管用冷蔵庫(できれば全て生種専用が望ましい)は、常に清潔であるよう、掃除・消毒(水拭き・アルコール・塩素など)を徹底します。
▶生種用容器は、プラスティック製品は避け、ステンレス・ホーロー・ガラスといった材質のものを推奨します。
実際にあったお話
お客様からSOSが届きます。
それは、「パンがふくらまない!」「味が薄い」「発酵が早すぎて・・」
ひとつひとつ消去法で、考えられる可能性を念頭にお話しを伺っていきます。すると、これらの問題の原因として浮かび上がるものの一つが・・
「他のイースト/酵母”を使ったあと、道具/機器の清掃をすることなく、あこ酵母の生地を仕込んだ。」 というものです。
とくに、一般的に使われるドライイーストと併用される時にはご留意ください。
例えば、ミキサーボールにイースト生地が付着していて、そのままあこ酵母の生地を仕込むとどうなるでしょうか?
→→ 生地の中で酵母と酵素の足並みが揃わずバランスが崩れてしまいます。
その結果、“発酵が早すぎて、作業を進めたけど、焼きあがったパンの風味がイマイチ”といったことが起こりえます。
これはうま味をつくる酵素にとって時間が足りないためです。
あこ酵母に限らず、異なる酵母/イーストを使用するときはご留意ください。
一般的な製パンにおいて使用されている道具や材料でも、あこ天然培養酵母でのパン作りにおいてはNG、避けた方が よいもの/ことが多々ございます。
最近、「パンの香りがよくない」「粉を変えていないのに、なんだか香りが違う。」といったお問合せをいただきます。いろいろお話を伺うと、みなさま同じ結論(理由)に行きつきました。
それは・・ 食パン型に使用している「オイルスプレー」です。
あこ酵母、小麦の香りを活かすパンを焼いていただけます。
それゆえに、オイルスプレーに使われる香料、個性的な香りを持つ油、そのほかの副材料などの香りもまたそのまま現れてしまいます。
これを解決するために、私達では無味無臭の太白ごま油を型にも使用しています。